2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

島崎藤村 「破戒」1

正宗白鳥が終始変わらぬ敬意を寄せていた島崎藤村。大学生の頃「新生」を読みかけたが最後まで読めなかった。今回再挑戦するつもりで練馬区の図書館に出かけたのだが、島崎藤村の文庫本が書架に置いてない。島崎藤村のようなビッグネームなら文庫本でもいく…

正宗白鳥 『新編 作家論』 岩波文庫

先日のブログで「作家の処女作にはその後の作品の萌芽がすべて含まれる」という考えについて書いた。この考えは正宗白鳥がどこかで書いていたような気がしていたので、所有している正宗白鳥の本をぱらぱらと探したが見つからなかった。代わりに見つけたのは…

棚田康司 「たちのぼる。」展 2012年9月16日〜11月25日 練馬区立美術館

「作家の処女作にはその後の作品の萌芽がすべてが含まれる」という考え方があり、僕自身もそういうもんだろうと思っていた。自分の経験からして人間が劇的に変わることなど有り得ないと思っているし、作家を作家たらしめた何らかの問題意識がその作家を離れ…

「罪と罰」12(1−2)

「いいえ、ありませんね。」ラスコーリニコフは答えた。「それはいったいどういうことです。」「あのですね、私はそこから来たのです、そしてもう五日目の夜でございます・・・」 彼はコップを一杯にしてから飲み干し、物思いに沈んだ。実際彼の服そして髪に…