2010-01-01から1年間の記事一覧

「天体図−コペルニクス」

「地球が太陽の周囲を回転することを説明してくださって、あたしを侮蔑したおつもりでいらっしゃるの。それでもあたしは、やっぱり地球を尊敬しておりますよ。」 これは花田清輝が「天体図−コペルニクス」の末尾において、フォントネルの著作から引用した言…

「アンギアリの戦い−レオナルドとマキャヴェリ」

花田清輝のエッセイ「アンギアリの戦い−レオナルドとマキャヴェリ」を読む。このエッセイは『復興期の精神』の他のエッセイに比べ特に短い方だが、これを十分理解するためには骨太な西洋哲学史の知識が必要だと思う。(それゆえ僕は十分理解できているとはい…

「政談−マキャヴェリ」

花田清輝のエッセイ「政談−マキャヴェリ」を読む。僕はこのエッセイを数回読んだ後、無政府主義に興味を感じ、ゴドウィンやバクーニンの著作を読んでみたいと思った。いったい僕の中でどんな回路がつながって無政府主義に至ったのか定かではないが、このエッ…

「鏡のなかの言葉−レオナルド」

ここに複数の肖像がある。崇高な芸術家、反動勢力に屈服した卑屈な廷臣、逞しき知識人、「無邪気」な子供、同性愛者、数学的・機械論哲学の最初の使徒、絶対的先駆者。ここに示した複数の肖像は異なる人物について描かれたものではない。これらはすべて花田…

「女の論理−ダンテ」

花田清輝『復興期の精神』の巻頭エッセイ「女の論理−ダンテ」を読む。予備知識を持たないで読んだ最初の感想は、なんだかはっきりしない部分が多く、よく分からないというものだった。所々に興味を感ずる考えもあったが、全体としていったい何が言いたいのか…