2012-05-22から1日間の記事一覧

「罪と罰」6(1−1)

彼が歩かねばならなかったのは少しだけだった。彼は自分のアパートの門から何歩なのか知ってさえいて、それはきっちり730歩であった。ある時彼はそれを数えたのだが、その時にはすでに空想にどっぷり浸かっていた。当時彼は自分でもまだこの己の空想を信…